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企業の保険
企業の保険編
保険は個人だけでなく、会社のリスク防衛にも重要な手段です。節税だけにとらわれない使い方が必要です。
「福利厚生」と「企業防衛」
2008年4月、門真の精密機械メーカーで脳内出血に倒れた職員の家族が起こした裁判で、企業に対して2億の支払命令が出されました。

安全配慮義務違反

この方は、異動となった部署で12日間で61時間の時間外労働があり、企業はこれに対する善後策を講じなかったとするものです。

企業の経営をしていて、2億の支払命令を食らったらどうなるでしょうか・・・

過労死や精神障害での労災認定は5年前と比べて大きく増加しています。
これを踏まえて平成20年に「労働契約法」が施行されました。その第5条・・・

「労働者の安全への配慮」が明記されています。
その指針も厚生労働省から出されていますが、実際に訴訟に至る事例では、原告側の思いは、

「ウチの会社は社員に何もしてくれない」と言うものだそうです。

では「何か悩むことがあったら相談してきていいよ」と設置した窓口がその会社の人事部の中にあったらどうでしょうか?私なら利用しません。人事考課に響くと思うからです。

そのために外部資源を使うことが有効です。この外部資源によるサービスと保障がセットになっていれば、事故が起こった時だけでなく、その予防策としても活用できます。

福利厚生に対する経営者の考え方も、「社員のために」のみならず「企業の防衛のために」と言う観点で捉える必要があります。
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入り口と出口
保険は節税商品ではありません。あくまで「繰り延べる」だけですので、保険を解約するとき、保険金を受け取るときの「出口」に注意しなければなりません。

例えば医療保険。「会社で入っているし経費になるから、個人の医療保険は要らないよ」と言う意見を聞きます。確かに経営者が入院する事態では信用不安等から売り上げが落ち込むので、その補填にもなります。

しかし単純に医療費として考えた時、「法人は入院しません」ので、会社から病院に入院費用を払っても経費にはなりません。
また払う保険料が経費になる分、受け取る給付金は全額利益になります。

1日いくら、の医療保険ではなく、ガン保険の場合、診断給付金等で、何百万円と言う給付金になりますので特に注意が必要です。

ちなみに個人で医療保険に入った場合、個人で受け取る給付金は、所得税法基本通達9条21項により全額非課税です。

私は企業経営者に提案する際、医療保険は個人契約でいただくようお願いしています。
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必要保障額
企業が保険に入る目的は様々ですが、借入金返済がその第一義にあたります。現社長が創業者である場合など特に、後継者がいても当面の信用は大きく落ちこむからです。

銀行からの借入金では、不動産担保付の長期借入金(工場建設費など)は、約定弁済を続けている限り一括返済を迫ることはありませんが、短期借入金、特に社長の「顔」で借りている「信用貸し(担保を提供していない借入金)」の部分は、一括返済を求めてきたり、折り返し資金がストップされたりすることを考えておかなければなりません。

銀行のみならず仕入れ先などの商売上の取引先にしても、従来は手形で決済していた先から、現金回収への変更を求められることも考えられ、一挙に資金繰りが悪化します。

こういう緊急時に資金面で会社を救うのが保険の効果ですが、ここで「税金」を検討に入れておかないと大変なことになります。

定期保険など、掛け金が経費になっているものは、受け取る保険金全額が会社の利益になります。保険金1億あれば、ざっと4,000万円は税金で持っていかれますので、「借入金1億だから保険も1億」は間違い、ということになります。

社長の死亡退職金規定を使って損金を作るという方法もありますが、社長の死亡という事態はいつ来るか分かりませんし、その時には当の社長がいないわけですから、しっかり機能するか不明な点もあります。

保険金額は、法人税を勘案し、「すぐに返さないといけない資金(無担保借入)×1.7倍」を最低限として考えましょう。

当面の企業内部の建て直しや清算にも備えて、「従業員給与の3か月分」程度を加算して考えることも必要です。
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